雷②
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 自然 > 天候
昔は雷神が雲上で太鼓を打ち鳴らすため、雷のときにゴロゴロと音がするのだと信じられていた。
実際は、雷は電気によって引き起こされる。
雷は積乱雲の中で発生する。積乱雲の内部では秒速三〇メートルもの激しい上昇気流があり、地上の空気を一分間に一・八キロメートルずつ上方に押し上げている。つまり、地上の空気は積乱雲の中で六分後には一〇キロメートルも上空に運ばれている。
地上の空気が寒い上空に登ると一気に冷却されて、空気中の水蒸気(雲粒)が氷の粒にかわる。このときに発生する電気が雷なのだ。
音は空気が震えることによって起きるが、雷のゴロゴロという音も同じだ。
雷の周囲では気温が一万度以上にもなり、空気が瞬間的に膨張する。膨張後の空気は、急速に冷やされて収縮する。この膨張と収縮の作用で空気が震え、ゴロゴロという雷の音になる。
なぜ雷の音はゴロゴロと鳴るのか。
近くに雷が落ちたときは「バシャーン」「ドシャーン」といった大きな音がする。しかし、遠くに離れると「ゴロゴロ」と聞こえる。
これは雷とそれを聞く人との距離によって違ってくるものだ。
雷は一瞬で長距離を移動するが、音は秒速三四〇メートル程度しか進まないため、近いところでは音が早く届き、遠くでは音が遅く届く。つまり、離れたところで発生した音が、耳に届くまで強めあったり弱めあったりして、結果的に「ゴロゴロ」という音に聞こえる。
さて、稲妻が見えた時間と雷の音が聞こえた時間の違いから、雷の位置を知ることができる。
音は秒速三四〇メートルなので、例えば稲妻が光ってから一〇秒後に「ゴロゴロ」という音が聞こえたなら、雷までは三・四キロメートルの距離があることになる。つまり、光と音の間隔が短くなったら、雷が近付いてきたということなのだ。
なお雷の起こりやすい時期は地方によって異なり、日本のほとんどの地域では夏に雷が多いが、東北地方の日本海側では秋に、北陸地方は冬に多くなる。それは、雷が上空に寒気、地面付近に暖気のあるところで発生するからだ。
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