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カニ缶
【東京雑学研究会編】

雑学大全生活 > 食べ物

カニ缶を缶詰の王者に推す声は多い。なにしろ、高いものでは一万円以上。そしてその権威を象徴するように、缶だけでは手ぬるいと思うのか、缶の中でさらに包装紙に包まれている。
まさに特別扱いだが、カニ缶の中身が包装紙に包まれているのは、やはり値段が高いからだろうか。
実はあの包装紙は、化学的な理由に基づくものである
カニ肉のタンパク質には硫黄分が多い。そしてカニ缶の缶の多くは、硫黄と反応しやすい鉄でできている。硫黄と鉄が反応すると硫化鉄になる。硫化鉄は人体には無害だが、黒い斑点となってカニ肉に付着してしまうのだ。
なにしろ高価なカニ缶だから、開けたときに斑点があるようではショック大きいそこでこの斑点を防ぐための措置が、あの包装紙なのだ。包装紙は、耐水性のある硫酸紙である
包装紙ほど目立たないが、缶の内側も化学反応を防ぐために塗装されている。缶の内側の塗装とカニ肉側の包装紙、このダブルストッパーの活躍で、カニ肉は守られているのだ。
包装は主として手仕事行われる。手間がかかるのでコストも高く、あまり安い缶詰では包装はできないという。
やはりカニ缶は特別扱いといえそうだが、硫黄分が多いホタテやエビの缶詰にも包装紙は使われている。
カニ缶製造業者は、古くからこの黒変防止に苦労してきた。和紙、木綿などいろいろな素材が試されたが、硫酸紙が採用されたのは一九〇七(明治四〇)年前後のこと。製造者は、根室の和泉庄蔵とも福井の大戸与三兵衛ともいわれる。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473