海溝
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 自然 > 自然
私たちが住んでいる陸地は地球表面のほんの三割程度で、地球表面の約七割は海で占められている。
深さ、広さの上でも陸は海のスケールにかなわない。海の深さの平均は三七三〇メートルで、日本の最高峰の富士山の三七七六メートルと大差ない。海の深さが山の高さを圧倒しているかのような印象を受ける。
では世界最高峰エベレストと世界中の海の中で最も深い所を比べてみたらどちらが勝るだろうか?
世界で最も深い海は太平洋のマリアナ海溝にある。
マリアナ海溝は小笠原諸島の母島の南東方向からヤップ島の北東にかけて伸びる全長約二五五〇キロメートルにもなる三日月状の海溝だ。水深九〇〇〇メートルを超える地域も多く、そこでは標高八八四八メートルのエベレストがすっぽりと隠れてしまう。
特にグアム島の南の海溝が東西に切れ込んでいる部分では水深が深い。
一九五〇年代にイギリスのチャレンジャー号やソ連のビチャージ号によって一万メートル以上の深さの場所が発見され、チャレンジャー海淵と名づけられた。
しかし、一九八三年に海上保安庁水路部の調査船・拓洋による精密検査によると、マリアナ海溝の最深部は北緯一一度二二分二四秒、東経一四二度三五分三〇秒にあることがわかった。この部分の水深はおよそ一万九二四メートル。ここにエベレストを沈めたら、頂上の位置は海面下二〇〇〇メートルにまで沈み込んでしまう。
世界中の海溝の深さランキングで第九位のニューギニア島東方のニューブリテン海溝でも九九四〇メートル。これもエベレストがすっぽりと沈んでしまう深さだ。
深さ、高さを比べてみても、海は陸に圧勝してしまうのだ。
ちなみにエベレストの山頂からマリアナ海溝の最深部までの差は一万九七八六メートル。地表の高低差のダイナミックさには驚くばかりだ。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
|
“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
|
出版社:
雑学大全[link] |