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オーガズム
【東京雑学研究会編】

雑学大全ヒトの不思議 > 男と女

かつて、人類学者の中には、オーガズムは女性についてはほとんど考慮されていないと考える人もいた。決してオーガズムを体験しない女性がいたり、体験してもごくわずかだったり、また、女性のオーガズムの存在さえ、知られていない社会が人類学者によって発見されていた。
あるいは、女性のオーガズムは、男性の乳首と同様、痕跡に過ぎないと考えられたりもした。あるいはまた、オスにとってオーガズム生存競争に有利に働いているのだから、その性質はもう一方の性についてもそうであるはずだとか、甲論乙駁の状態であった。
そして今も、性交時のオーガズムについて、さまざまな研究が行われている。オーガズムという現象は、人間だけに見られるものなのか、それとも、犬や猫の交尾にも、はたしてオーガズムがあるのか?
人間と同じものではないとしても、ある種の反応は、人間以外の動物にも見られるようだ種付け馬が交尾中に一瞬見せた表情から確信が持たれたり、チンパンジーやサルにもオーガズムがあると断言する学者もいる。しかし、オーガズムという全身的な現象は、人間だけの特権と言われる。それは、人間の大脳の発達に関係しているからだ。
オーガズム客観的に証明する方法として、性交中の脳波の研究が行われるようになった。それによると、オーガズム時にはシータ波(夢を見ているときのREM睡眠時の脳波)が表れるという。しかも、男性と女性とでは、継続時間に違いが見られるである。なんと女性のシータ波の継続時間は、男性の一〇倍も長いという。
女性の方がオーガズムを長く感じるというこの差は、なぜ生じるのか? 生物学的な宿命の差ととらえる説がある。男性のセックス単なる精子の移入であるのに対し、女性のそれは、その後に続く妊娠、出産、育児と大変な作業が残されていることに関係があるというもの。生涯に生産できる卵の数が限られ、いったん妊娠してしまうと、ほぼ一年間は新たな受胎が不可能な女性にとっての、戦略とも言えるものかもしれない。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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収録数: 1000696
サイズ: 26x19x4cm
発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473