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エベレスト
【東京雑学研究会編】

雑学大全地理 > 場所

エベレストはヒマラヤ山脈中央にあり、ネパールとチベットの国境付近にある標高八八四八メートルの山だ。
一九五二年、大三角測量の集計中に「ピークXV」と呼ばれていた山の標高が八八四〇メートルと、世界最高峰だということがわかった。当時、この山の名前がわからなかったので、インド測量局長の名前にちなんで「エベレスト」と命名された。
今ではチョモランマの名称も一般的になっているが、これはチベット語で「大地の女神」「世界の母神」の意味だ。ネパールでは「大空の頭」「世界の頂上」を意味するサガルマータの名で親しまれている。
三角測量は精密に測定された基線を基準にして三角法を応用して行う方法だが、人間の視力に頼るため、気象条件などによって測定値に誤差が発生する。エベレストの標高も最初の測定値から、八八八二メートルに改正され、さらに八八四八メートルと変化した。
正確な標高を割り出すため、レーザー光線と人工衛星を使って測定してみると、それまで三角測量では八六一一メートルで世界第二位とされていたK2(「カラコルム2」の略)が標高八八八六メートルとされ、トップに躍り出た。
K2がエベレストを抜いてしまった理由は三角測量の誤差以外に、国際的な基準が定められていない平均海水面の問題がある。また、造山活動の影響も見のがすことができない。K2のあるカラコルム山脈は一年に数ミリ隆起しているし、エベレストの頂上付近は強風のため少しずつ削られてしまっているのだ。
しかし、この最高峰争いに突然、第三の山が躍り出てきた。
その山は南アメリカのアンデス山脈にあるチンボラソ山だ。
チンボラソ山の標高は六三一〇メートル。アンデス最高峰とはいえ、世界の最高峰レベルにはほど遠い。
けれどもこの標高はあくまでも地球表面、つまり海水面を基準とした数値なのだ。地球の中心から頂上までの距離を標高とするなら、チンボラソ山が世界のトップになるのだ。
地球は完全な球形ではなく極半径より赤道半径の方がかなり長い。極近くにあるエベレストやK2より、赤道近くにあるチンボラソ山の頂上の方がはるかに中心から遠い位置になってしまうのだ。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473