ウサギ
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生物の不思議 > 動物
ウサギは、ナキウサギという種類とウサギ亜科にわけられる。ナキウサギは原始的な小型のウサギで、耳は二センチと短い。このウサギは、アジアと北アメリカの山岳地帯に棲み、岩の間や地面に掘った巣で群れとなって生活する。日本では、北海道の山岳地帯にエゾナキウサギが生息している。
ウサギ亜科は、一般的にウサギと呼ばれている種類である。耳は長く、長くバネの強い後ろ足で飛びながら走るのが特徴である。
さて、このウサギの耳が長いのはなぜだろうか。
このウサギの耳をよく見てみると、薄い耳には血管があみのめのようにはりめぐらされているのがわかる。ウサギは、ほとんど汗をかかないために、この耳の表面から放熱しているのである。耳を外に出して、外気にあて、血液を冷やして体が熱くなりすぎるのを防いでいるのだ。汗のかわりに、耳を使っているわけで、そのため、砂漠で生息する種では大きな耳を持っている。
ウサギの中でもノウサギ類はより大きな耳を持っている。これは、体温を調節するという目的に加えて、もう一つ目的があるのだ。
ノウサギの特徴は、ほかのウサギ類と異なり、特定の巣を持たない。夜、単独で行動して、餌を探す。草木の葉や芽、樹皮などを食べるのだ。
そういう特性から、ウサギを狙う敵の接近を知るためにも、音には敏感でなければいけない。音をよく聞き取る必要があったために、耳が長くなっていったのであろう。かすかな音も逃がさず、音を集めるアンテナとして、大きく発達したのである。
ノウサギは、ほとんど鳴かないので、仲間とのコミュニケーションに必要なわけではない。暗闇で自分をしっかりと守るために、長い耳が必要だったのである。
ウサギの耳が長いのはその二つの理由からである。
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