アジサイ①
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生物の不思議 > 植物
梅雨の時期に花を咲かせるアジサイには、実は「七変化」という別名がある。それは、アジサイの色がさまざまに変化するからである。なぜ、そんなふうに色が変わってしまうのだろう。
アジサイは日本の花である。『万葉集』でもうたわれているほど、昔からその記述があり、鎌倉時代には園芸用としても栽培されていたという。ただし、アジサイ寺として有名な鎌倉の明月院が観光の名所となったのは、第二次世界大戦後である。
アジサイの花は、実はがくの部分が大きく変化した種類である。ほかの花のがくが緑であるように、アジサイの花も最初は緑色をしているのだ。やがて、花が大きくなるにつれて、緑の葉緑素はこわされていき、アントシアニンという色素によってだんだん色が変わってくる。アントシアニンは赤い色を出す色素である。
木の紅葉もこのアントシアニンの仕業で、秋に緑の葉が紅葉するのも、アジサイが緑からピンクに変わっていくのも、この色素が関係しているのだ。
そして、花も盛りを過ぎてしまうと、だんだんその色素は分解されていき、色褪せておわりとなる。その変化が「七変化」と称されるのである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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