夫婦間でも「ほう、れん、そう」は欠かせない
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【60歳からの人生を愉しむ心理学】 第4章 一生を共にする「周り」を >
ある調査で「夫婦は他人だと思いますか?」と質問したところ、女性は「他人」と答える人が多く、男性は「夫婦は他人ではない」と答える人が多かったそうです。男性のほうは、「夫婦は一心同体」だと思っているようです。
これを聞くと男性は「女は冷たい」とがっかりするかもしれませんが、決して女性が冷たいわけではありません。女性から見たら、釣った魚に餌をやらない男性のほうがよほど冷たく見えるでしょう。
女性は関係性作りを意識している人が多いのです。夫婦は他人。ただ同じ家の中に一緒にいるだけです。
夫婦は重箱のように重なっていますが、いつでも取り外しはできる。男性よりも女性のほうが、そういう緊張感を持っています。男性のほうは接着剤でくっついて一心同体になって、永久に取れないと勘違いしている。
では、夫婦が他人でいるとは、どういうことでしょうか。結婚前、出会った頃の二人は他人だったはずです。親しくなるためにマメに電話をしたり、プレゼントをしたり、一緒に食事をしたり、「愛している」とささやいてみたり、いろいろな努力をして関係を作ったはずです。
男性のほうは「もう関係を作ったからおしまい」で、その努力をやめてしまう。
しかし妻のほうは「人間関係はそんなもんじゃない。いつも関係作りをしていないとダメになってしまう」ということを意識しているのです。冷たいどころか、夫婦の関係性について男性よりもよっぽど力を注ごうとしています。
熟年離婚のケースを見ると、男性のほうは「なぜ急に離婚を言い出されたのかわからない」という人が多いようです。今までずっと一緒に生活してきたのに、なぜこの年になって離婚しなければいけないのか、と。
そこに至るまでにはだいぶいろいろあったはずなのですが、無理やり見ないようにして、安心していたのかもしれません。「言わなくてもわかる」と以心伝心気分。しかしそう思っていたのは夫だけ。
今からでも遅くありません。妻は常に「他人」。夫婦間でも「ほう(報告)、れん(連絡)、そう(相談)」を忘れずに。
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【この辞典の書籍版説明】
「60歳からの人生を愉しむ心理学」渋谷昌三(目白大学教授) |
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多くの人が60歳からの「人生の後半戦」「定年後」に対して、ネガティブなイメージを抱きがちです。本書では「老い」に無理に抵抗することなく、「豊かに」「軽やかに」「上手に」愉しみながら年を重ねていくコツを心理学的なアプローチを中心に紹介します。 |
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60歳からの人生を愉しむ心理学[link] |