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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2インフラに見るモノの技術 >

江戸の町では、街の地理を知るために「山の手の坂、下町の橋」というフレーズが使われた。橋は昔からその街のランドマークとして親しまれてきたのだ。「橋わたし」「かけ橋」などの言葉が示す通り、橋は人々に明るいイメージをもたらす言葉でもある。ところで、橋には実にさまざまな形が存在する。本州と四国を結ぶ美しい吊り橋・明石海峡(あかしかいきょう)大橋や、恐竜を思い起こさせる東京ゲートブリッジ、アーチの形をした錦帯橋(きんたいきょう)など、その形の多様性には驚くばかりである。橋を構造の面から分類すると、桁橋(けたばし)、ラーメン橋(きょう)、トラス橋(きょう)、アーチ橋、斜張橋、吊り橋の六つに大きく分けられる。それぞれが特徴的な姿と堅牢性(けんろうせい)、経済性を有している。求められる条件とこれらの特徴がマッチした橋が建築されるのだ。例えば、東京ゲートブリッジはトラス橋と呼ばれる橋で、三角形を基本に作られている。船の交通を妨(さまた)げないように高くしなければならず、羽田空港が近いため飛行機の妨げにならないよう低くしなければならない。そのせめぎあいの中で採用されたのが、トラス橋だった。三角形の組み合わせによる強い構造が、水面からは高く、飛行機からは低い橋を可能にしたのである。また、明石海峡大橋は、本州と淡路島(あわじしま)を結ぶ世界最長の吊り橋だ。3911メートルという長さを実現するには、吊り橋の形式しかなかった。吊り橋は橋桁の間隔を長くとれ、海を一跨(ひとまた)ぎできるからである。ところで、吊り橋を建設する際、最初のケーブルはどうやって渡すのだろうか。昔は川や海を船で引いたが、明石海峡大橋ではヘリコプターを利用したという。川の橋を渡るときには、たもとにある柱にも目を止めてほしい。その川の名と橋の名、完成した年月日が記された碑(いしぶみ)がある。これを親柱(おやばしら)という。古い橋の親柱には歴史を感じさせるものが多い。旅先でそれを見ながら街を散策するのも楽しいものだ。


中経出版
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」
JLogosID : 14820744


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【この辞典の書籍版説明】

「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美

大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください!

出版社: 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2[link]
編集: 涌井良幸・涌井貞美
価格:648円+税
収録数:
サイズ:
発売日:
ISBN: 978-4806148029