生物から学ぶ知恵「バイオミミクリー」
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【雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2】 コラム >
近年、バイオミミクリーあるいはバイオミメティクスという言葉が工学の分野でよく使われる。訳語は「生物模も倣ほう」だが、この漢字からわかるように、生物の姿や生態などから、人に役立つさまざまな技を盗み取ろうとする技術である。その例を「ヤモリテープ」で見てみよう。ヤモリテープは日東電工が開発したものだ。ヤモリが壁を自由に上り下りできるしくみを調べる中で、足にミクロの繊維が無数に生えていることを解明した。その繊維が微小な壁の表面の隙間に入り込むことで、ガラスの壁すらも簡単に移動できるのだ。そこで、ミクロの繊維を無数に植えつけたテープを作成したところ、ヤモリの足のようにどこにでもくっつき、すぐに剥はがせることが確かめられた。こうして「ヤモリテープ」が完成したのである。この例からわかるように、生物には学びきれないほどの知恵と情報が詰まっている。これからの発展が楽しみな分野である。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美 |
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大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください! |
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出版社:
雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2[link] |