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消しゴム
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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2実用アイテムに見るモノの技術 >

1564年に黒鉛(こくえん)(グラファイト)が発見されると、ほどなく、それを棒に挟んだ「鉛筆」が発明された。手軽に書ける筆記具ということで大ヒットしたという。だが不思議なことに、鉛筆で書かれた字がゴムで簡単に消せるということはなかなか気づかれず、書かれた文字はパンで消していたそうだ。それから200年、ゴムで黒鉛の字が消せることが偶然発見された。「消しゴム」の誕生である。消しゴムの誕生はゴムの歴史の中で画期的な出来事だった。字消し用のゴムは英語のrub out(こすり取る)からラバー(rubber)と名付けられたが、現在ではゴム一般を意味するほどになった。ところで、なぜ消しゴムで鉛筆の字が消せるのだろうか。その秘密は黒鉛粒子と紙の関係にある。実は、鉛筆で紙に書いた字は、紙の表面に黒鉛の粉末が付着しているだけの状態なのだ。そのため、上手にはぎ落とせば字は消える。しかし、こするだけでは字は消えない。拡散してしまうからだ。そこで、消しゴムはゴムの中に黒鉛の粉末を絡め取り、消しくずとしてまとめてくれる。これが、消しゴムで鉛筆の字が消える理由である。最近の消しゴムはプラスチックでできている。最初は鉛筆のおまけとして普及したというが、ゴムよりもよく消えるということで、急速にシェアを広げた。その製法からわかるように、使用後には紙ケースにしまうことが重要である。そうしないと、プラスチック同士が再結合してしまうからだ。周知のように、インクで書かれた文字は消しゴムでは消せない。インクの文字は紙の繊維にしみ込んでいるからだ。これを消すには砂消しゴムが必要となる。ゴムに含まれる砂で、しみ込んだインクを紙ごと削(そ)ぎ落とすのだ。もっとも、最近は砂消しゴムよりも修正液や修正テープが人気ではある。近年は、ゴムとの摩擦熱(まさつねつ)によって消える特殊なインクを使用したボールペンも生まれている。複写された字が消せるコピー用紙も同様のしくみだ。


中経出版
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」
JLogosID : 14820744


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【この辞典の書籍版説明】

「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美

大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください!

出版社: 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2[link]
編集: 涌井良幸・涌井貞美
価格:648円+税
収録数:
サイズ:
発売日:
ISBN: 978-4806148029