静電気防止グッズ
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【雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2】 暮らしに見るモノの技術 >
異なる2種のモノが擦(こす)れたり剥(は)がれたりしたとき、静電気は生まれる。だが、「静」と名付けられていてもバカにはできない。ドアノブに触れてショックを感じるとき、実は数千ボルトの電圧が生まれている。小さな雷に襲われているようなものなのだ。では、静電気と電線に流れている電気は違うのか。答えはノーだ。どちらも、同じ電子が演じる現象である。静電気の「静」とは、電子が「動かない」ことを示しているだけ。その動かない静電気が大地に一気に移動するとき、我々は「ビリッ」と感じるのだ。静電気の被害を受けないためには、二つの戦略がある。一つは静電気を溜めないこと、もう一つはゆっくり流すことである。静電気をためないようにするグッズとしては、静電気防止スプレーが代表的である。これは洗剤の素である界面活性剤がおもな成分だ。吹きかけると、界面活性剤が表面を覆い、湿度を吸収したり保持しやすくしたりする。その水分から電気が流れるため、静電気がたまらないのである。柔軟剤(じゅうなんざい)を用いて洗った衣類を着るのも有効だ。洗濯の仕上げをシットリさせるために、洗濯後の布の表面には界面活性剤の成分が残るようになっている。これが水分を留め、電気を流しやすくしてくれる。静電気をゆっくり流すグッズとしては静電気除去キーホルダーが挙げられる。先端部には導電性のゴムが付けられていて、ほどよい電気抵抗を生むように設計されている。ドアのノブに触れる前にこの先端部を介(かい)して触ると、体にたまった静電気はゆっくり流れ去り、痛さを感じないことになる。もっとも、これらに頼らなくても、簡単に静電気の痛さから解放される方法がある。一つは、ドアを指ではなく手のひら全体で触るようにすること。もう一つは、ドアを触る前に近くの壁を一度触ることだ。手のひら全体で触ると静電気が流れる面積が増え、痛さが減少する。また、壁に触れると電気はゆっくり流れ去ってくれるのだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美 |
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大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください! |
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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2[link] |