ロケット
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【雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2】 乗り物に見るモノの技術 >
この半世紀あまりで、日本の宇宙技術は長足(ちょうそく)の進歩を遂げた。気象衛星やGPS衛星、そして他国の衛星までも搭載して宇宙に運べるようになった。では、ロケットはどのようなしくみで飛ぶのか。これを理解する簡単な方法は、重いボールを持ってキャスター付きの椅子に座り、足を浮かせながらボールを前に投げてみることだ。反動で、座った人は後ろに動く。実はこれがロケットの飛ぶしくみなのだ。学校では作用反作用の法則と教えている。このしくみを上手に利用した玩具(がんぐ)が、「ペットボトルロケット」である。圧縮された空気の力で水を勢いよく放出し、その反動で飛ぶ。これを本物のロケットに当てはめると、ペットボトルロケットの圧縮空気に相当するのが燃料で、噴出する水に相当するものが噴射ガス。高速に噴射されるガスの反動でロケットは宇宙に向かうのだ。燃料の燃焼噴射で飛ぶものには、ジェット機がある。ロケットがジェット機と異なるのは、宇宙空間には酸素がないことだ。そのため、ロケットの燃料には酸素も積まれ、酸素のない宇宙でも燃料が燃えるようになっている。ところで、ロケットで打ち上げられた人工衛星はなぜ落ちないのだろうか。その秘密はスピードにある。ボールを地球上から水平に投げたとしよう。左ページ上図①~④のように投げるスピードを上げていくと、落下地点は次し第だいに遠くなり、最後は落ちずに戻ってきてしまう。この④のスピード(秒速約8キロ。新幹線の約100倍)を超えると、ボールは地球を回り続けるのだ。とはいえ、地球を周回する人工衛星はいつしか地球に落下する。宇宙空間は真空(しんくう)といわれるが、軌道(きどう)上にわずかな空気があるからだ。その摩擦(まさつ)のためにロケットは減速し、最後は落下する。ロケットで打ち上げられた衛星の軌道はさまざまである。例えば、放送衛星は地球の自転と同じスピードで動く静止軌道に乗る。地球から見ると定位置にあることになり、放送には適した軌道だ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美 |
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大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください! |
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