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リニア新幹線
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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2乗り物に見るモノの技術 >

2012年(平成24)、JR東海はリニア中央新幹線計画を実行に移すと発表した。東京~大阪間を1時間で結ぶ「リニアモーター推進浮上式鉄道」の研究が開始されたのが1962年(昭和37)。実に半世紀が経ってからの決断である。周知(しゅうち)のように、リニア新幹線は「リニアモーター」を駆動源とし、「磁気浮上方式」を採用した点に特徴がある。リニアモーターとは、その言葉通り直線状(リニア)のモーターをいう。人が一列に並んで手渡しで荷物を運ぶのに似た運搬方式を実現するモーターだ。車両に搭載されている磁石(じしゃく)と、走行路(ガイドウェイ)の両側の壁に並んで取り付けられている「推進コイル」が同期して推進力を生む。例えば、車両先頭のS極が近づいたら、その前方の推進コイルをN極にするように電流を流し、磁石の引き合う力で加速するのである。リニアモーターを駆動源とする車両は決して斬新(ざんしん)なものではない。例えば東京の地下を走る都営地下鉄大江戸線の車両は、リニアモーターで走っている。車体を小さくできるためトンネル断面積が小さくでき、建設コストが下げられる。このような理由から、最近建設された地下鉄にはリニアモーターを駆動源とした車両の採用が多い。次に磁気浮上方式を見てみよう。実際のリニア新幹線のしくみは巧妙(こうみょう)なので、まずはしくみを単純化した前ページ下図を参照しよう。浮上の原理は電磁誘導の法則を利用している。つまり、車両の磁石が近づくと、走行路上のコイルに電流が流れて電磁石となり、車両の磁石との反発力が発生する。この力で、車両を浮上させるのだ。リニア新幹線を現実化した縁(えん)の下の力持ちは、「超電導磁石」と巧妙な「浮上・案内コイル」の配置だ。超電導磁石は低電力で強力な力を発揮する。また、8の字に反転させた浮上・案内コイルを側壁に配置することで、車体の推進用超電導磁石を浮上力に利用でき、横揺れに対する安定性が生まれる。


中経出版
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」
JLogosID : 14820744


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【この辞典の書籍版説明】

「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美

大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください!

出版社: 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2[link]
編集: 涌井良幸・涌井貞美
価格:648円+税
収録数:
サイズ:
発売日:
ISBN: 978-4806148029