イオンドライヤー
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【雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2】 家電に見るモノの技術 >
ドライヤーをかけ過ぎると、髪が傷むといわれる。髪に含まれる水分が飛び、乾燥してしまうからだ。乾燥すると、髪を包むうろこ状のタンパク質キューティクルがめくれ、髪は大きなダメージを受ける。さらに、その乾燥した髪をブラッシングすると、髪はプラスに帯電してパサついてしまう。このドライヤーの欠点を解消するのがイオン技術だ。プラスに帯電した髪にマイナスのイオンを吹きかければ、電気は中和され、髪のパサつきはおさまる。また、イオン作成技術の向上で、吹きかけるイオンに水分子をまとわせられるようになっている。その水分子を乾燥した髪に吸着させることで、髪はサラサラ、しっとりと美しく輝く。このように、イオン技術の進歩は美容器具に大きな影響をおよぼした。シャープの「プラズマクラスターイオン」、パナソニックの「ナノイー」など、メーカーによってその呼び名は異なるが、しくみは同じ。従来は消臭・殺菌を目標にしたが、イオンと水との相性を利用して、さまざまなイオン美容器具が開発されている。例えば、「寝ながらエステ」「ながら保湿」などというコピーで人気を博したイオン加湿器が好例だ。カサカサと乾燥して電気を帯びやすくなった肌に、先のヘアドライヤーと同じしくみで、水分子をまとったイオンを吸収させる。しくみが単純で、美容のための入念な作業が不要。「寝るときに枕元に置くだけ」「机に置くだけ」という美容法なのだ。この手軽さが多くの利用者の心をつかんだようだ。エアコンや空気清浄器にも、美容をうたった製品がある。これも髪を潤すドライヤーのしくみと同じだ。イオン美容は百花繚乱(ひゃっかりょうらん)の様相を呈(てい)している。ところで、ドライヤーのイオン効果について、東京都が物言いを付けた。「メーカーがいう効果・効能は消費者の一般的な使用方法とは乖離((かいり)した条件でなされている」のだという。イオン美容の歴史は浅い。評価が定まるにはもう少し時間を要するのかもしれない。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美 |
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大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください! |
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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2[link] |