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ノイズキャンセリングヘッドフォン
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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術ハイテク時代のモノの技術 >

電車の中で澄(す)んだ響きの音楽を聴きたい。そんな贅沢(ぜいたく)な望みをかなえてくれる製品がある。ノイズキャンセリングヘッドフォンだ。電車、航空機などの周囲の騒音を低減してくれる機能を持つヘッドフォンである。雑音に抗して音量を上げ過ぎる必要がないため、耳への負担や音もれの心配も軽減されて便利である。また、旅先での友人のイビキを消す、などという裏ワザでも利用されているという。ノイズキャンセルには、大きく二つの方法がある。アクティブ方式と、パッシブ方式である。近年のはやりは、アクティブ方式である。アクティブ方式は電気的にノイズを消すしくみである。ヘッドフォンにはマイクが内蔵されている。このマイクが周囲の騒音を拾い、それを打ち消すような音をヘッドフォン内部で発生させる。こうして、周囲の騒音だけを消去するのだ。騒音を打ち消す音は、騒音の「逆位相」になるように作られる。そのため、ヘッドフォン内部にはその処理を行なうためのLSIも組み込まれており、電池などの電源が必要になる。パッシブ方式は外部の雑音をバリアで防ぐ方式である。最も古典的なのは音を外耳でブロックする「耳栓(みみせん)」だ。この耳栓的なアイデアを応用して、耳をすっぽりとヘッドフォンで覆い隠す方法がパッシブ方式のヘッドフォンである。電池などの電源は不要だが、耳が圧迫されて蒸(む)れるという欠点がある。ヘッドフォンで採用されている「逆位相」の技術は多方面に応用されている。例えば、高速道路や新幹線沿線の側壁には防音装置が取りつけられているところがある。道路や線路脇にスピーカーを配置し、騒音と逆位相の音を生成して騒音を消去しているのである。また、「トナカイ分岐型遮音壁」と呼ばれる防音装置は、音の誘導室を設け、そこで共鳴した音が元の騒音の逆位相になるように工夫されている。電源を必要とせず、道路や鉄道施設にはもってこいの防音装置である。


中経出版
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」
JLogosID : 14820744


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【この辞典の書籍版説明】

「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」涌井良幸・涌井貞美

身のまわりの「便利なモノ」にはすべて、「便利さの理由」があります。でも、私たちはそれをよく知らないまま、日々生活していることがほとんどではないでしょうか。本書は、家電からハイテク機器、身近な家庭用品まで、私たちが日頃よく使うモノに関する素朴な疑問を図解で解説。「モノ=科学技術の結晶」たる所以がこれでわかります

出版社: 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術[link]
編集: 涌井良幸・涌井貞美
価格:648円+税
収録数:
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発売日:
ISBN: 978-4-8061-4455-7