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立体テレビ
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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術ハイテク時代のモノの技術 >

映像を立体的に見られる表示装置は人類の夢であった。そして現代、それを実現するいくつかの方法が開発されている。例えばSF映画でよく登場するホログラフィーがある。これは実際に光で3D映像を作成する方法である。しかし、これが一般家庭にまで普及するには時間がかかりそうだ。現在、家庭のテレビに普及しているのは視差(しさ)を利用する方法である。視差とは「右目と左目の映像がズレること」である。人は右目と左目で見た映像のわずかなズレから、現実の奥行きを認識するのである。では、家庭用立体テレビのしくみを見てみよう。家庭用テレビで立体感を出すには、この視差を利用する。要するに右目と左目にズレた画像を送り込むことで、平面的なテレビ映像を立体的に見せるのである。ズレた画像を両眼に送り込む方法は、大きく三つに分けられる。電子シャッター眼鏡方式、偏光フィルター眼鏡方式、そして裸眼(らがん)方式だ。電子シャッター眼鏡方式は、テレビに左右の映像を交互に表示し、それに同期して眼鏡の左右を開閉する方式である。開閉といっても電子的な操作である。実際には眼鏡内の液晶の偏光の方向を変え、1秒間に100回を超える開閉を行なう。この方法はフル解像度に対応でき、現在最も普及しているが、眼鏡が高価で画像が暗くなるという欠点がある。偏光フィルター眼鏡方式は、左右の映像を走査線の1行ごとに偏光を変えて表示し、専用眼鏡で見る方式。左右に異なる向きの偏光板を取りつけるだけなので、眼鏡は安価に作成できる。明るい画像が見られるが、フル解像度には対応しにくいという欠点がある。裸眼方式はテレビ表面にレンズ(レンチキュラーという)やバリアを設け、左右の映像を交互に表示する方式だ。レンズの効果で、左右の異なる映像が左右の目に入ることになる。スマートフォンなど小さい画面に適した方式だが、近年は大画面でも実現されている。


中経出版
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」
JLogosID : 14820744


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【この辞典の書籍版説明】

「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」涌井良幸・涌井貞美

身のまわりの「便利なモノ」にはすべて、「便利さの理由」があります。でも、私たちはそれをよく知らないまま、日々生活していることがほとんどではないでしょうか。本書は、家電からハイテク機器、身近な家庭用品まで、私たちが日頃よく使うモノに関する素朴な疑問を図解で解説。「モノ=科学技術の結晶」たる所以がこれでわかります

出版社: 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術[link]
編集: 涌井良幸・涌井貞美
価格:648円+税
収録数:
サイズ:
発売日:
ISBN: 978-4-8061-4455-7