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ブロードバンドの上りと下り
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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術ハイテク時代のモノの技術 >

インターネットのサービスに加入しようと思うと、気になるのが通信速度である。この値が小さいと、きれいな動画が見にくくなる。宣伝のパンフレットやホームページを調べると、その最大速度が2段に分けられていることに気づく。例えば、最近話題のブロードバンドサービスのWiMAXでは、「上り15・4Mbps、下り40Mbps」とある。この「上り」「下り」の最大通信速度の違いはどうして生まれるのだろうか。この違いを理解するために、通信回線を「両側4車線の高速道路」に、回線上でやり取りされるデータを「時速100キロで走る自動車」に、例えてみよう。ゴールデンウィーク初日の昼前と仮定し、下り車線が大混雑し、上り車線は空(す)いていると状況をイメージしてほしい。このとき、「両側4車線の高速道路」の上り・下りを2車線ずつ対称にするのは不合理だ。例えば上りを3車線、下りを1車線というように、混んでいるほうの車線を増やし、空いているほうの車線を減らすのが合理的である。こうすれば、自動車の流れる最大量は下りが上りより大きくなり、全体としてスムーズな走行が可能になる。このアナロジーは、そのまま通信回線にも適用できる。個人がインターネットを利用する際、インターネットから得る「下り」のデータ量のほうが、インターネットに送る「上り」のデータ量よりも格段に多いのが普通だ。そこで、「下り」にデータを流れやすくするのである。「下り」のほうが「上り」よりも最大通信速度が大きい理由はここにある。「車の速度を上げればいい」と思われるかもしれないが、それは不可能。光速以上にはデータを速く送れないからだ。「ならば、全体の車線数を増やせば?」と思われるかもしれない。だが、それもできない。車線数(すなわちチャンネル幅)は規格で決められており、勝手に増やすことはできないのだ。したがって、上りと下りの車線数を適正に配分して対処するしかない。


中経出版
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」
JLogosID : 14820744


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【この辞典の書籍版説明】

「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」涌井良幸・涌井貞美

身のまわりの「便利なモノ」にはすべて、「便利さの理由」があります。でも、私たちはそれをよく知らないまま、日々生活していることがほとんどではないでしょうか。本書は、家電からハイテク機器、身近な家庭用品まで、私たちが日頃よく使うモノに関する素朴な疑問を図解で解説。「モノ=科学技術の結晶」たる所以がこれでわかります

出版社: 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術[link]
編集: 涌井良幸・涌井貞美
価格:648円+税
収録数:
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発売日:
ISBN: 978-4-8061-4455-7