チリ
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【ワイン手帳】 チリ・アルゼンチン・アフリカ > チリ
チリワインが日本でも購入できるようになって久しい。チリワインというと、安くておいしいというイメージが先行している感がある。実際に例えば2000円前後のチリワインを味わうと、そのレベルの高さに感心させられることが多い。確かに品質に対する良心的な価格はチリワインの魅力だが、実はその品質自体も多様性に富んで、個性豊か。プレミアムといわれる高級ワインまで価格帯も幅広い。
チリワインの歴史は16世紀にスペインからぶどうの木が持ち込まれたのが最初といわれる。けれど現在のチリワインを支える主要な高級品種はスペイン系ではなくフランス系品種であり、それらは19世紀にチリに輸入された品種を祖先としている。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、白はソーヴィニヨン・ブランとシャルドネなどの品種が成功を遂げた背景には、チリがワインづくりに適した気候風土であったことはもちろん、この時期ヨーロッパから渡ってきたワイン醸造の専門家の存在が大きいといわれている。当時ヨーロッパを襲ったフィロキセラという害虫の被害によってぶどう樹の根が枯死し、自国で職を失った専門家の多くが、被害に見舞われていない新大陸の産地へ渡ったのである。幸い苗木はフィロキセラ以前にチリに持ち込まれたもので、接ぎ木をされないままの形で栽培されている。
チリではラベルに産地表記をする場合、その産地のぶどうを75%以上使用していることが条件となる。品種とヴィンテージの表記についても同様だ。ブレンドする場合は、その品種を15%以上使用している場合に限られるが、比率の高い順に3種類まで表示できる。おもな産地は、南北に細長く広がる国土のほぼ中央に集まっている。
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【この辞典の書籍版説明】
「ワイン手帳」熊野 裕子 |
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産地別の構成で、各産地の基礎知識をはじめ、スタンダードな銘柄の品種、ボリューム感、甘辛度、価格の目安がひと目でわかるほか、それぞれの銘柄の特長を解説します。 |
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