もも子よおまえがぐずってしかたないときわたしはおまえに げんこつをくれるだが 桃子お父さんの命が
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【名言名句の辞典】 4愛 > かけがえのないもの
【名言名句】
もも子よおまえ
がぐずってしかたないときわたしはおまえに げんこつをくれるだが 桃子お父さんの命が要るときがあったらいつでもおまえにあげる
【解説】
父重吉の長女桃子への愛情が満ちあふれている詩だ。二十九歳の若さで結核で亡くなった八木重吉の詩作期間はわずか六年足らずと短い。しかしその作品は二千編にも及ぶという。娘桃子をうたう詩も多い。
このように全身全霊をもって愛した桃子も一九三七年に、父のあとを追うように没している。
【作者】八木重吉
【生没年】1898~1927
【職業】詩人
【出典】『八木重吉詩集』
【参考】八木重吉は、学生時代にキリスト教に出会い洗礼を受けている。本格的に詩作活動に入るのは、東京師範学校在学中に家庭教師を引き受けた島田とみと結婚してからである。キリスト教信仰に根ざした詩も多く、詩集『神を呼ばう』がある。イギリスロマン派の詩人ジョン・キーツに傾倒し、研究を続け翻訳もしている。
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【この辞典の書籍版説明】
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