薬物性肝障害
【やくぶつせいかんしょうがい】
【標準治療】 病名 > 消化器
肝臓は主な働きの1つに薬物代謝があります。門脈(もんみゃく)あるいは肝動脈より運ばれてきた薬物に対しいわゆる解毒を営み、これら代謝産物を体外に排出します。しかし、これらの代謝過程において肝自体が障害を受けることがあるのです。
薬物性肝障害は中毒性肝障害と薬物アレルギー性肝炎に分けられます。中毒性肝障害は薬物または、その代謝産物の直接的な肝毒性によって起こり、用量依存性(薬の量が増えれば増えるほど障害が起こる可能性が増すということ)です。一方、薬物アレルギー性肝炎は個体の特異体質により生じ、用量非依存性(薬の量とは関係なく起こる)です。最近の薬物性肝障害の大部分は、薬物アレルギーによると考えられています。発症のしかたにより急性と慢性に分類され、急性型は肝細胞障害型、胆汁うっ滞型、混合型に分けられます。原因薬剤としては、抗生物質、抗悪性腫瘍(しゅよう)剤、解熱鎮痛薬、精神神経用薬などの頻度が高いようです。しかし、どのような薬物でも薬物アレルギー性肝炎を起こしうるので、上記以外の薬でも注意は必要です。
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【この辞典の書籍版説明】
「標準治療」寺下 謙三 |
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約570の病気の情報 (症状、診断方法、標準的な治療方法、予後、生活上の注意など)を診療科目別に掲載している 「家庭の医学事典」です。 |
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