ジッパー
【じっぱー】
【雑学大全2】 そーだったんだ! > ○○との違い
日本では「ジッパー」「ファスナー」「チャック」と三種の呼び方があるが、本来の名称は「ファスナー(fastener)」で、「しっかり留めるもの」という意味である。いまやあらゆる洋服に使われる必需品だが、ここまで普及した理由は、なんといってもピュッと引っ張るだけで生地などの開閉が簡単にできることである。ファスナーははじめ、ブーツ用にアメリカのシカゴに住むホイットカム・ジャドソンという人が考案したといわれている。そして、これが博覧会に出品されたとき、 当時弁護士であったルイス・ウォーカーという人が興味を持ち、ユニバーサル・ファスナー社という製造所を設立し生産をはじめた。だが、はじめにつくられたものは、現在のような丈夫なものではなく、簡単に外れてしまうものだったため、まったく大衆の心をとらえられず、広まらなかったようだ。そこでウォーカーは、技師ギデオン・サンドバックとともに研究を重ね、現在のギザギザファスナーの原型である「ホックレス・ファスナー」を開発し、特許を取得した。これは、一九一七年、アメリカが第一次世界大戦に参戦すると、その利便性が認められて軍服に利用されたため、評判がぐんぐん上がり、製造所は一躍大企業へと変身することとなった。さらに、これに目をつけたグッドリッチ社は、一九二一年、ファスナーをオーバーシューズ(防水用目的などで靴を覆うもの)に採用した。このとき、そのファスナーにつけたネーミングが「ジッパー」だっため、その後アメリカでは「ジッパー」という呼び方が定着することになった。ちなみにグッドリッチ社とは、あの有名なタイヤメーカーである(現在は仏ミシュラン社にタイヤ部門は買収されている)。日本では、一九二七年頃に広島県の日本開閉機会社がファスナーの生産を開始した。このとき、巾着をもじって「チャック印」というトレードマークで売り出したため、日本ではファスナーの別名「チャック」が生まれた。したがって、「チャック」は日本独特の呼び方である。ちなみに、日本のファスナー製造会社「YKK(旧・吉田工業株式会社)」は、スライド・ファスナー生産では世界シェアの四割以上を占めている。戦後、いち早く大量生産をするための機械を導入することに成功し、現在では世界でも有数の大企業である。
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「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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