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西行
【さいぎょう】

雑学大全2ヒトの不思議 > 人物

西行は平安時代末期の僧侶、歌人である。本名を佐藤義清といい、平将門の乱を平定したことで有名な藤原秀郷(俵藤太)の子孫にあたる。一九歳で北面の武士となるが、歌道の才能によって鳥羽院から目をかけられ、左兵衛尉を授かった。しかし、二三歳の若さで突然出家し、円位(後に西行)と号し、洛外の草庵で修行をしたり、諸国を遍歴して多数の歌を詠んだ。一一八八(文治四)年に成立した『千載和歌集』に一八首、一二〇五(元久二)年に成立した『新古今和歌集』には最多の九四首もの歌が収められている。家集には『山家集』などがある。自然美を詠んだり、自己の内面を見つめた歌が多い。風流な天才歌人として有名な西行だが、実はたいへんに荒々しい人物だったという伝説が数多く残る。たとえば、思うところあって、若くして妻子を捨てて出家したとき、何も知らない幼いわが子がうれしそうにまとわりついてきた。西行は、その子を蹴り飛ばして家をあとにしたという。また、北面の武士だった頃、徳大寺家にも仕えていた西行は、諸国を遍歴して都に帰ってきたとき、なつかしくなって徳大寺家を訪問した。すると、門の外から、寝殿の上に縄を張りつめているのが見えたので、そばにいた人にわけを聞くと、トンビがくるので縄を張っているという。トンビのいるのがなぜ悪いのかと思った西行は、急に嫌気がさして帰ってしまったという。これらの伝説がどこまで本当かはわからないが、後者は吉田兼好の『徒然草』にも載っている。兼好は、「徳大寺にも如何なる故か侍りけむ」と批判的であった。縄を張ったのは、トンビ除けとは別の理由があったかもしれないのに、それを確かめようともせず、長年親しんだ主家に腹を立てて帰ってしまう西行の軽率さ、短気さをとがめたのであった。


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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