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海軍
【かいぐん】

雑学大全2学校じゃ教えてくれない?! > 歴史

南米の国・ボリビア共和国は、国境がまったく海に面していない内陸国である。だが、ボリビアには昔から海軍があって、現在も訓練が続けられている。海がないのにどこで訓練をしているかというと、ペルーとの国境にあるチチカカ湖や河川だ。六つの海軍管区に小艦隊が一つずつ配備され、湖や河川の管理をおこなっているという。海がないのに海軍があるのは不思議なのだが、これにはボリビアの悲しい歴史がある。かつては内陸国ではなく、太平洋沿岸もボリビアの領土だったのだ。ボリビアは一九世紀前半にペルーから独立した国家で、沿岸部はチリとの国境だったが、当時はほとんど無人でその国境もあいまいなものだった。その後、この土地に銅や硝石、グアノ(海鳥の糞の堆積物で肥料になる)の鉱脈があることがわかると、多数のチリ人が進出をしてくる。そこでボリビア人との対立を生んでしまった。一八七九年には、ペルーも含んで太平洋戦争(ゲラ・デ・パシフィコ)と呼ばれる戦いに発展してしまった。結局、その勝利国はチリ。ボリビアは唯一の海岸線を持つアントファガスタ州を明け渡すことになってしまったのだ。この歴史から、図らずも内陸国になってしまったボリビアだが、国民はいまだに納得はしていない。いつかは自国に海岸線取り戻す日が来ると信じて、一〇〇年以上たった今日でも海軍を維持しているというわけだ。その数は、ボリビアの陸軍二万五〇〇〇人、空軍三〇〇〇人に対して、海軍は三五〇〇人程度の規模で存在している。


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487801305