オスカー・ワイルド
【おすかーわいるど】
【雑学大全2】 ヒトの不思議 > 人物
オスカー・ワイルドはアイルランド生まれのイギリスの詩人・小説家・劇作家。各分野で機知と風刺に富んだ高水準の作品を発表した人気作家で、イギリス世紀末芸術の雄といわれる。代表的な作品に、童話『幸福な王子』、小説『ドリアン・グレイの肖像』、耽美主義の戯曲『サロメ』などがあり、日本では大正時代から、新劇運動や耽美派文学者たちに影響を与えた。『サロメ』は、パリ滞在中にフランス語で書かれた。有名劇場コメディ・フランセーズの大女優サラ・ベルナールがこれを読んで惚れ込み、自分が主演で上演したいと劇場に提案したが、内容が刺激的すぎるという理由で拒否された。イギリスでは、内容を知った検閲官に上演を禁止されている。斬新すぎて同時代の劇場関係者の理解を得られなかった『サロメ』だが、この作品はワイルドの隠された秘密を暴くことになった。上演の望みを断たれたワイルドが、『サロメ』を英訳して出版したのをきっかけに、その翻訳をした未成年の貴族アルフレッド・ダグラスとの男色関係が明るみに出てしまったのだ。ワイルドは結婚していたが、結婚前に完治したと思いこんでいた梅毒が治っていなかったことを知って妻との関係を断った後、同性愛に傾き、複数の青年と関係を持つようになっていたのである。アルフレッドの父クィーンズベリー侯爵はかんかんに怒り、「息子を誘惑した」とワイルドを訴えた。たちまち、彼が何人もの男性と交際していたことを示す証言が次々に出てきた上、ワイルドがアルフレッドに宛てたラブレターまで見つかった。ワイルドが不利とみた弁護士や友人たちは、彼にイギリスを離れるように勧めたが、彼は断固としてとどまり裁判で闘った。結果、ワイルドは裁判に敗れ、男色と不品行の罪により、レディング監獄で二年間の強制労働の刑に処されることとなった。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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