美魔女
【びまじょ】
【時事用語のABC】 流行・ブーム > 一般語
光文社の40代女性向けファッション雑誌「美STORY」(現「美ST」)が打ち出したトレンドワード。
年齢を感じさせない外見と経験に裏打ちされた知性を兼ね備えた35歳以上の女性を指し、ネーミングは「魔法をかけているかの様に美しい」とのコンセプトに基づいている。同誌が2009年8月の発刊以降、美容や食事などで美しさを保つ秘訣などの企画特集に力を入れる中で「美魔女」を発信してきた。10年秋には第1回「国民的美魔女コンテスト」を開催。約2,500人が応募し、同年11月の最終選考会の模様は民放各局の情報番組などで報じられ、初代グランプリに輝いた草間淑江さん(当時41歳)らファイナリストたちの年齢を感じさせない美貌やプロポーションが世間の驚きや反響を呼んだ。
男性が主な読者である夕刊紙や総合週刊誌などでも40代以上の美しい女性を取り上げる記事で「美魔女」を引用するなど社会的に認知されるようになり、11年版「現代用語の基礎知識」(自由国民社)にも採録。12年10月31日には、平均年齢41歳の美魔女8人組がCDデビューを果たし、11月1日の第3回コンテストでは、福島県在住のネイルスクール・サロン経営で、4人の息子を持つ門馬礼子さん(40)がグランプリを獲得した。
美魔女のブーム化を巡っては、「『20代にしか見えない』ことだけが40年以上生きてきた女にとっての最高の勲章なのだとしたら、ちょっと淋しくないか」(12年2月13日 読売新聞、鈴木美潮記者)などの疑問を呈する意見もあるが、美STの元編集長で、「美魔女」の生みの親である山本由樹氏(現gift社長)は、「40代でも美しさで評価される、もう自分は第一線をしりぞいたと思ってた人でも、友だちが美魔女で出るとか言うと、私も可能性があるかもと、意識のスイッチが入る。その違いって大きい」と意義を述べている(10年11月、Fujisan.co.jp『インタビュー日本の編集長』)。
一方、ビジネス視点でも「美魔女」の仕掛けは、注目されている。出版不況が続く中で「美STORY」は創刊から2年で美容月刊誌のトップに立ち、雑誌の新しい売り出し方を確立。コンテストは下着や飲料、エステ等の大手企業や芸能事務所などの後押しを受けており、週刊ダイヤモンドは、参加者の多くがバブル期に青春を過ごした経緯から、「モノが売れない時代にあって、企業は美に貪欲で消費志向の強い“美魔女”世代の取り込みを図ろうと必死」と論評している(10年12月9日)。
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「時事用語のABC」時事用語ABC編集部 |
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