インフレ・ターゲット
【いんふれ・たーげっと】
【時事用語のABC】 時事用語アーカイブ > 経済
一定の物価上昇を目指して金融政策を実施すること
あらかじめインフレ率に目標値を設定しておき、その目標を達成するように紙幣の発行を増やすなどの金融政策を日本銀行(日銀)が実施すること。通貨価値の下落によって物価の上昇を見込む。
デフレに歯止めのかからない日本経済は、物価の下落と同時に、人件費(給料)の削減や雇用の見直しを招き、ますます経済的不安を抱えるというデフレ・スパイラルの状態にある。このような経済の谷底から抜け出す金融政策として、インフレ・ターゲットが提唱されている。
特に、不良債権の処理によって経営不振の企業が淘汰されると、さらにレ不況を深刻化させるのではないかと心配されている。不良債権処理を加速させたい小泉内閣にとって、デフレ圧力の緩和につながるインフレ・ターゲットは、構造改革の断行を下支えするひとつの選択肢だ。
ただ、インフレ・ターゲットはイギリスやカナダなど物価の高騰を抑える手段として実施された例があるに過ぎず、デフレを食い止める金融政策として有効かどうかの判断は分かれる。これまで金融の量的緩和を通じて通貨を潤沢に供給してきた日銀も、インフレ・ターゲットに踏み切ることには消極的だ。
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