クローン人間
【くろーんにんげん】
【時事用語のABC】 時事用語アーカイブ > 生活
もとの人間と同一の遺伝子をもって誕生させた人間
クローン人間の作製には、女性の卵子から核を取り除き、そこに別の人間の体細胞から取り出した核を移植してクローン胚をつくる方法がある。このようにしてできたクローン胚は、女性の子宮に戻して着床させると、成長してクローン人間になる。
通常の生殖は、父親の遺伝子をもった精子と母親の遺伝子をもった卵子が結合する有性生殖だ。この場合、受精卵には父親と母親の遺伝情報が含まれている。しかし、無性生殖によって生まれるクローン人間は、核を提供した人間とまったく同じ遺伝子をもつので、もとの人間のコピーに等しい。
遺伝子技術またはバイオ・テクノロジーの進歩とともに、1997年にはイギリスでクローン羊「ドリー」が誕生して話題を呼んだ。優良な形質をもった家畜の大量生産には産業的価値が期待されているものの、クローン技術を人間に応用することについては、倫理的な問題が発生する。そのため、日本では、2001年にクローン技術規制法が施行され、クローン人間づくりについて懲役刑をもって禁止している。
イタリアのアンティノリ医師が発表したクローン人間の妊娠成功の話が事実であれば、ついに人類はパンドラの箱を開けてしまったことになる。
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