ブランデー①
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > 飲み物
食後のゆったりとした時間に、あるいはベッドに入る前に、シルクのガウンをはおりロッキングチェアをゆすりながら、底の丸いバルーンタイプのブランデーグラスを手のひらで包み、ちびちびと口に運ぶ。
これではまるで映画のワンシーンのようだが、そんなヒーロー気分にしてくれるお酒がブランデーだともいえる。
ただし、この手のひらでワイングラスを包むという飲み方は、最近のブランデー事情を忘れている。
もともとブランデーがバルーンタイプの口の狭いグラスに注がれたのも、そのグラスを手のひらで包んだのも、香りを楽しむためだった。ワインを蒸留して造るブランデーは、その技術が未熟だったこともあり、かつてはあまり香り高いものではなく、強いアルコール臭が先に立つお酒だった。
そこで、手のひらに包んで温めることでアルコール臭を飛ばし、ブランデー本来の芳香を引き出し、グラスのバルーン部分に香りをため、狭い口から香りが立ちのぼるようにして味わったのである。
最近は蒸留技術も進歩し、グラスに注いだだけで芳香を感じることができるようになっている。あえて温めたり、手のひらに包んで回したりする必要はないのだ。ただ、目の高さに掲げてその琥珀の色合いを楽しむだけでいいのである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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