ひな祭り
【東京雑学研究会編】
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ひな人形を飾り、白酒や菱餅、ひなあられ、蛤のお吸い物などで女の子の成長を祝うのが、三月三日のひな祭りである。
ひな祭りの成り立ちは複雑だが、古代人の垢落としも、ルーツの一つである。
旧暦の三月は、現代の四月から五月のはじめにあたり、厳しい冬が終わった水ぬるむ季節である。風呂のなかった古代社会の人々は、この季節に山野や海岸で水につかり、「浴」と呼ばれる水浴をして冬の間の垢を落とし、体を清めたのである。
この習慣は、風呂が普及したのちも、形を変えて続いていった。誘い合ってはご馳走を携えて海や山に出かけたり、河原にかまどを築いて煮炊きをし、飲食をするという楽しみとなったのである。花を眺めて野草を摘んだり、貝を拾ったりする、「山遊び」「野遊び」「磯遊び」と呼ばれる行事が、それである。
三月三日の節句や四月八日の花祭りの日に、これを行う地方が多いのは、元来は農業の始まる時期に先がけて、野山にこもって物忌みの生活を送るという意味合いのものだからである。こうして、田の祭神としての資格を身につけようとするのである。現在の私たちが楽しんでいる花見や潮干狩りも、この名残だと考えられている。
中国から伝わった上巳の行事も、ひな祭りのルーツの一つである。これは、三月の最初の巳の日に、祓を行うというもので、陽数とされる奇数が重なる三月三日に行われることもあった。
さらに、日本の宮廷に古くからあった、人形によって身をなで、穢れや罪を払おうとする習慣が結びついた。ひな人形は観賞用ではなく、呪術的な役割を持っていたのである。
現代のようなひな祭りの形ができあがったのは、室町時代頃のことである。当時は上流階級だけの行事であったが、江戸時代から華やかになり、次第に民間や地方へも広がっていった。
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