発毛剤
【東京雑学研究会編】
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一九九九(平成一一)年六月、日本初の「発毛剤」が発売され、発売当日に完売、品切れとなる店が続出する大ヒットとなった。
従来あったのは、育毛剤や養毛剤だけだった。発毛剤は育てるだけでなく一歩進んで毛を生やす効果があるというが、なぜそんなことができるのだろうか。
普通の男性の毛髪は約一〇万本。一日に五〇~七〇本が自然に抜けるが、同じ毛穴から新しい毛が生えてくる。この繰り返しを毛周期(ヘアサイクル)といい、二~六年の成長期、二~三週間の退行期、三~四か月の休止期に分かれる。
成長期が十分に長ければ、太くて丈夫な毛が育つ。しかし成長期が短くなると、毛髪は細く短くなり、毛穴の奥にあって髪を成長させる毛母細胞がある毛包も小さいままで退行期に移行してしまう。
この悪循環が繰り返され、毛包が小さくなり、細い髪の毛が増えて抜け毛が目立つのが、いわゆる壮年性脱毛症だ。
成長期はさらに、毛包が成長し始める初期成長期と、毛髪、毛包がともに成長する後期成長期に分けられる。後期成長期が長ければ、毛は太く丈夫になる。
発毛剤は、有効成分のミノキシジルが、毛包の後期成長期への移行を促す。また、後期成長期を維持することで小さくなった毛包を大きく深く成長させる。しかも、従来の薬同様、毛包の休止期から初期成長期への移行を促進する作用もある。
ミノキシジルは、アメリカの食品医薬品局(FDA)がはじめて有効性を認め、一九八八(昭和六三)年に医療用薬品として認可した。当初は処方箋が必要だったが、今では薬局で買える大衆薬になっている。日本国内の実験でも、半年間の使用で七割強の男性に何らかの効果があったという。
その後も発毛剤、育毛剤の世界でははじめての、発毛を促す遺伝子に作用する育毛剤が登場するなど、髪の毛の薄い人にとっては明るい時代になってきた。
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【この辞典の書籍版説明】
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