ネコ②
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生物の不思議 > 動物
あるとき、虫を追いかけた猫がベランダからひとっ飛び! 飼い主が肝を冷やして、慌てて下りてみると、当の本人はすまして自分の顔をなめたりしているものである。
猫が、高いところからジャンプしても、自然に体をうまくひねって着地することは、よく知られている。
では、なぜ猫はそんなことが可能なのだろうか。
猫の内耳の中には、前庭という部分があり、リンパ液で満たされている。そこに、何万本という繊毛が揺らいでいるのだ。頭の位置が変わると、その上にある石が繊毛を引っ張るために、次に頭をどう動かせばいいのか、瞬間に察知できるのである。
体操選手の空中の回転運動でもわかるとおり、先に頭の位置が動いて、着地の動作に入っていく。この頭を正しい位置にするというのが、猫の俊敏な動作を支えているのである。
頭の位置が決まったら、猫は上半身をひねる。脊髄神経が、今度は下半身をひねる角度を伝えて、ちゃんと四本足で着地できるのである。着地の瞬間のショックは、猫のしなやかな筋肉と、足裏のやわらかい肉球が和らげてくれるのだ。
猫は本能的にこういう動作が簡単にできるので、飛び降り自殺は決してできない動物なのである。
アメリカの獣医師会誌に発表された論文によれば、一九八四年の六月から三か月の間、高層建築物から落下したネコ一三二匹のうち、九〇%の猫が生き残った。中には、三二階から落ちても無事だったケースもあったという。ネコは、ムササビのように四肢を広げて空気抵抗を大きくし、落下速度を押さえて、うまく態勢を整えて着地することができるのである。
ただし、忍者のような猫にも、危険な高さがある。それはマンションでいえば、四~五階くらいの高さである。
ムササビ飛びをするには高さが足りず、一気に地面にたたきつけられてしまうため、いちばん死亡率が高いという。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
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