鳥②
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生物の不思議 > 鳥類
体長約一八〇センチメートル、体重八五キログラムにもなる大型鳥のヒクイドリは、ニューギニア島やオーストラリア北西部のジャングルに生息している。ダチョウと同じように、飛ぶことはできないが、走るのが速く、泳ぎも上手である。
一六世紀に、オランダ人がこの鳥をヨーロッパに紹介し、日本にも徳川時代には渡来している。
羽は黒色で、頭と首は、皮膚が露出している。頭頂部はとさかのようになっており、首の前部からは、肉が垂れ下がっている。これら皮膚の露出部は、青、赤、黄、橙などの鮮やかな色をしている。
「ヒクイドリ」というドラマチックな名前は、何か伝説にちなんだもののようだが、実は、この部分の色と形が、火を連想させたからだという。
また、ヒクイドリは、実際に火を食べると信じられていたとも考えられる。日本では「火喰鳥」、中国では「食火鶏」と言われるこの鳥は、何でもかんでも飲み込んでしまうという、極端な食習慣を持っているのである。
常食しているのは、若葉や果実、昆虫や小動物などであり、穀物をエサとする鳥に特有の二つの胃と、肉食する鳥に特有の短い消化器官の、両方を持っている。
そればかりか、エサにはならない鉄や石までをも、飲み込んでしまうのである。飲み込んだものが、食道を通過するスピードが速いため、のどを傷つけないらしい。あきれたことに、火のついたままの石炭を飲み込んだという記録さえある。
こうした情報は、中国を通じて日本にも伝わっていたから、それにちなんで「ヒクイドリ」と命名されたとしても、不思議ではない。
暴飲暴食ぶりだけを見ると、ユーモラスな鳥だが、脚が大きくて力が強く、内指には長さ一〇センチメートルもの爪があって、これで人間を殺すこともできる。ヒクイドリのほうでも人間を恐れているので、めったに姿を見ることはできないが、繁殖期には極めて攻撃的になる、危険な鳥なのである。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
|
“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
|
出版社:
雑学大全[link] |