ドーナツ
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > 食べ物
現代人にすると、穴がないとドーナツとはいえないような気がする。都市の周りの人口が増加する「ドーナツ化現象」、アナログレコードの「ドーナツ盤」など、独特の形から名づけられたものも多い。
しかし、ドーナツに穴があけられるようになったのはそう昔のことではない。
穴あきドーナツが登場したのは一九世紀のアメリカ。アメリカではその前に二五〇年もの間、穴のないドーナツが作られていた。
ドーナツの原型は、信仰の自由を求めて新世界にやって来た最初のピューリタン入植者の一団ピルグリム・ファーザーズ(巡礼父祖)によって、彼らの新世界移住前の滞留地オランダから持ち込まれた。
オランダのパン屋が油で揚げるお菓子を発明したのは一六世紀のことだ。なお、ドイツがルーツだという説もある。このお菓子は、オイルをたくさん含んでいることから「olyloek」、英語では「オイルケーキ」と呼ばれていた。
オイルケーキに、丸くて小さく、クルミがのったタイプがあった。これがニューイングランドで、英語の「生地(ドー dough)+クルミ(ナッツ nuts)」から「ドーナツ」と名づけられたらしい。
それがどうして穴あきになったのか。発明者には二つの説がある。
まず、メイン州出身の海軍大佐ハンソン・グレゴリーが、一八四七年に母親の作るドーナツに穴をあけたという説。真ん中に穴があれば、表面積が大きくなって揚げむらがなくなり、真ん中が生焼けになることもないという実用的な理由だった。
海軍大佐だったグレゴリーが、軍艦を操縦しているときに舵に引っ掛けられるように穴をあけたともいわれる。いずれにしても、グレゴリーの故郷ロックポートには、ドーナツの穴を開通させた功績を称えるブロンズ板がある。
もう一つの説は、同じ頃、クッキーで有名なステラおばさんが住んでいたペンシルバニア州の西部、ペンシルバニア・ダッチ・カントリーで発案されたというもの。こちらも理由はグレゴリーの場合と同じで、火の通りをよくするためだったという。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
|
“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
|
出版社:
雑学大全[link] |