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電子レンジ
【東京雑学研究会編】

雑学大全生活 > モノ

何でもすぐに温めてくれる電子レンジは、もはや家庭生活には欠かせない。便利で何げなく使っている電子レンジだが、よく考えてみると不思議なものだ。
まわりはそのままで食べ物だけが温まる、焦げ目がつかないなど、電子レンジはほかの加熱器具とは違った性質があるが、いったいどうやって温めているのだろう
電子レンジは、電波でものを温める。電波でものが温まるなら、放送や携帯電話の電波がうようよしている世の中では何もかも熱くなりそうなものだが、それは違う。電子レンジが出しているのは、食品中の水の分子が回転、共振しやすいマイクロ波と呼ばれる周波数帯の電波なのだ。
この電波が食品中の水の分子に到達すると、分子が一秒間に二四億五〇〇〇万回、一八〇度の半回転震動する。すると、その摩擦熱で食品の温度が上がる。水の分子がおしくらまんじゅうをしているようなものだ。
一般に、電波が同時に届く範囲は外側から深さ六~七センチぐらいまでで、電波は中心に向かって集中するから、半径がその程度の食品なら、ものによっては真ん中だけ熱せられることもある。
水分のない陶器を入れても熱くはならないし、電波を反射してしまう金属容器に入れると熱くならない。しくみを知っていれば、電子レンジの上手な使い方もわかってくる。
油が主な食品は、水が主な食品より温度は上がりにくい。ただし、ある温度から急に温度が上昇するので注意が必要だ。
また、ラップをするのは、表面近くの水の分子が急速に蒸発して乾いてしまわないようにするためである。乾くと温度も上がりにくくなるからだ。
この性質は、しけてしまったせんべいなどを乾燥させるのに使えるが、時間が長すぎるとかちかちになってしまう。
電子レンジは、一九四六年にアメリカで開発された。レーダーの技術者が、電波に手をかざすと温かくなることに気づいたのがきっかけで、まずポップコーンを作ってみたという。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473