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地球②
【東京雑学研究会編】

雑学大全自然 > 宇宙

地球が球体であることは紀元前のギリシア時代から広く知られていた。
前二世紀のアレキサンドリア(現・エジプトの都市)で地理学者、数学者として活躍していたエラトステネスは、自分の住むアレキサンドリアと、そこから約九〇〇キロメートル離れたシエネとの、夏至の日の太陽の角度の違いを利用して地球の大きさを測定した。
シエネでは夏至の南中時(ほぼ正午)に太陽が真上に来て、井戸の奥まで照らす。シエネは北回帰線に近いので夏至の南中時、ほとんど地面を垂直に照らすため井戸の中の水に太陽が映って見えるのだ。
しかしシエネから約九〇〇キロメートル離れたアレキサンドリアでは夏至の南中時でも、井戸の底の水に太陽が映ることはない。これは、夏至の南中時、太陽光が地面に垂直にあたっていないことを意味する。
エラトステネスがアレキサンドリアで地面に垂直に立てた棒に対する太陽の角度を測ってみたら七度一二分だった。太陽光線はどこでも平行だとすると、アレキサンドリアとシエネとの緯度の差は七度一二分ということになる。
このことから
地球の円周=九〇〇キロメートル×三六〇÷(七+〈一二÷六〇〉)=四万五〇〇〇キロメートル
という式が導き出される
現在、子午線の長さ(地球の円周)は四万キロメートルとされているから、エラトステネスの測定は一〇%ほど大きかったわけである
エラトステネスは数学的地理学者として知られており、地球の大きさを測定した以外にも、都市間の距離の測定を試みたりしている。
ちなみに地球の子午線を四万キロメートルとし、子午線を四万分の一にした長さが一メートルだ。メートルという単位は地球の子午線の長さをもとに作り出されたものなのである


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473