data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。

世論
【東京雑学研究会編】

雑学大全社会 > 社会

「世論調査」という言葉がある。これは、一般大衆の意見を、個人面接や質問書などによって調べることであるが、「世論」の読みかたには「よろん」と「せろん」の二つがある。国語辞典には、「よろん」は「慣用読み」と記されている。
かつて「よろん」は「輿論」と書かれていたが、戦後、当用漢字表が公布されたとき、その表の中にない漢字を使用することができなかったため、新聞や雑誌で「世論」と書き換えられてしまったである。「よろん」と言うと、なんだ古臭い感じがするのはこのためであろう。
しかし、「世」の字音には、「よ」のほかに「せ」や「せい」もある。「世」と「論」を組み合わせるとき、音読みの「ろん」の上に訓読みの「よ」をのせると、湯桶読みになり具合が悪い。それで音読みをのせようとなると、「世」の音読みには、漢音の「せい」と呉音の「せ」がある。仏教を通じて「世界」や「世間」という語が日本に入ってきていたため、「せ」という呉音の方が採用されたというわけである。こうして「せろん」という読み方が定着した。
「輿論」という言葉には、前六三二年にまでさかのぼれる非常に古い歴史がある。『春秋左氏伝』には、次のような記述がある。晋の国の文公が曹の国を攻めたとき、多くの兵士が戦死した。曹はそれらの死体を城壁の上に積み上げ、挑発にでた。困った文公が「輿人」の意見を聞いてみると、「曹の国の人々の墓に捨てることにしよう」ということになった。文公が部隊を曹の墓場に移動させると、先祖の墓を掘り返されるのを恐れた曹の軍は、総崩れになったという。
この「輿人」というのは「衆人」のことで、「輿」には「多い」という意味があった。したがって、衆人の議論が「輿論」というわけである
「せろん」という読み方が定着したにせよ、本来の「衆人の議論」という意味を忘れず、大切にしたいものである


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。

【辞典内Top3】

握手  奥の手  国連旗  

【関連コンテンツ】

広告を表示できません。

【この辞典の個別アプリ】

雑学大全

「働きバチは1日6時間しか働かない」など、知的好奇心をそそる雑学の集大成。全1000項目を収録したアプリ。

【この辞典の書籍版説明】

「雑学大全」東京雑学研究会

“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!!

出版社: 雑学大全[link]
編集: 東京雑学研究会
価格:2160
収録数: 1000696
サイズ: 26x19x4cm
発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473