税金
【東京雑学研究会編】
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税務署が怖いのは、映画『マルサの女』でもおなじみのことである。とにかく、不正を暴き、しっかりと税金をむしりとっていく。
その不正には「脱税」「所得隠し」「申告漏れ」の三つがある。税金を誤魔化したという意味では同じだが、それぞれ違いがあるので説明しよう。
税務署が課す処分のうち、いちばん重いものが「脱税」である。これは、税務署が額が多い、手口が悪質な場合に適用するもので、刑事的な訴訟が起こされる。そして、裁判に負けたら刑事処分を受けてしまう。このときに課せられるのが追徴金課税だ。誤魔化した金額よりも膨大になるため、恐れられる処罰である。「所得隠し」は刑事処分を受けるほどではないが、二重帳簿などで所得を誤魔化したとされる場合の処罰である。これも重加算税が課せられ、誤魔化したことを後悔させる処罰が待っている。
「申告漏れ」というのはいちばん軽いものだが、申告額を誤魔化したということのほかに、必要経費として計上したものが認められない、あるいは税務署と申告者側に見解の相違があったときにもこの処罰となる。芸能人の申告でいちばん多いパターンである。発覚したら、何年にもわたって調べられたり、追加の税金を徴収されたりする。
とかく、世の中は正直ものが馬鹿をみる傾向にあるが、こと税金だけはきちんと正直に申告した方が、結果的には損しないという構造になっているのである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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