注連縄①
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 地理 > 場所
日本の正月飾りの一つに注連縄がある。
注連縄の「シメ」とは、「占める、占有する」という意味であり、神様のいる神聖な場所への立ち入りを禁ずる境界のしるしとして使われていた。
『万葉集』に収められた額田王の歌、「あかねさす 紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」の「標野」は、朝廷が狩りをするために、立ち入りを禁じた場である。
注連縄が張られているといえば神社だが、古代においては、神域の周囲全体に、ぐるりと注連縄が張りめぐらされていたと思われる。その後、神社の建物が整えられ、周囲には玉垣が置かれるようになったが、注連縄はそれ自体に霊力があり、魔除けになると考えられた。
現代でも、神社の建物ばかりではなく、神木や磐座など、神が降りてくるとされる場に、注連縄が張られているのを見ることができる。
また、注連縄は神聖な領域を区別するだけではない。正月に、家々の戸口に注連縄を飾ったり、村の境界に注連縄をめぐらせるのは、悪い者が入って来ることを防ぐためである。
いずれにせよ、内と外の境界を示し、外部から不浄の者が入ってくるのを禁ずるものである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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