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自動販売機
【東京雑学研究会編】

雑学大全生活 > モノ

自動販売機は、店員に注文を言って商品を出してもらい、金額を確認してお金を渡すという手順をスピードアップし、人件費も省けるという一石二鳥の長所を持つ販売方式である
商品の選択は、客がボタンを押すだけでいいが、その金額を確認する作業が機械では簡単ではない。投入されたコインなりお札なりを、人間なら一目で見分けられるが、機械は色や形や重さで識別しなければならない
この識別装置の設置方法の違いが、自動販売機コイン投入口の縦型と横型という差を生んでいるのである。駅の切符の自動販売機などは縦、街角で見かける缶飲料類は横にコインを入れるようになっている。
縦型では、コイン入り口から立った状態でコロコロ転がって識別機に入るからそのスピードは速い。ところが、横型ではコインは倒れた状態で滑り台を滑るように落ちていくが、抵抗が大きいぶんだけスピードは鈍る。このスピードが鈍い横型だと、駅で切符を買うとき、順番待ちの長い行列ができて乗客をイライラさせてしまう。そこで、少しでも早く発券できるよう、自動券売機のコイン投入口は縦になっているのだ。
このように縦型穴のほうがスピードは早いが、横型穴より識別機がスペースを取り、無駄な空間ができやすい。そのため自動販売機サイズそのものは大きくなってしまう。
自動販売機の中には、当然だがコイン識別装置のほかに、売るべき商品を入れなければならない缶飲料やタバコなどは、店先のような狭いスペースを効率よく利用して、できるだけ多くの種類の商品を、品切れを起こさないようたくさん入れておきたい。そのためには、コイン識別装置がスペースをとらない横型のほうがいい。穴の形状の差は、販売商品、形態に合わせて、これ以上ないほど考え抜かれているのだ。
さらに自販機の構造そのものに工夫を凝らしたものも出現し、アメリカにはフライドポテトを中で揚げてアツアツのものを出してくれるもの、スイスの空港には送迎用生花自販機といった変りダネもお目見えしている。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473