サルトル
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 ヒトの不思議 > 人物
ジャン・ポール・サルトルはフランスの文学者で、小説『嘔吐』によって有名になり、『存在と無』で実存主義の旋風を巻き起こした。
シモーヌ・ド・ボーヴォワールもまた文学者で実存主義者であった。『招かれた女』『第二の性』などが代表作。
二人は愛人同士として、また思想上の同志として生涯、活動をともにした。特に一九四五年、二人はメルロ=ポンティらとともに『レ・タン・モデルヌ』誌を創刊し、「実存主義のサルトル」として常にマスコミに登場するようになった。
さて、二人が出会ったのはサルトル二四歳、ボーヴォワール二一歳のとき。二人は、どちらも性的関係を縛り合うことなく、オープンでいようと約束した。つまり、フリーセックスを認めあい、その様子をこと細かに報告し合おうという約束だ。
そういった考え方が進歩的だと思われた時代、それも後に実存主義の提唱者として世界を席巻したサルトルの言葉にボーヴォワールはすっかり納得させられてしまった。
けれどもサルトルは女性関係が派手な、いわゆる女たらし。特に学校の教え子たちとの関係は数多く、「教え子の下着を研究している変わった哲学教師」とまで陰口をたたかれていた。
もちろんボーヴォワールの教え子たちともずいぶん関係を持っていた上、彼女たちとのセックスの様子を、当初の「約束」通り、こと細かにボーヴォワールに報告していた。当然のように、ボーヴォワールはサルトルと関係を持った教え子たちを嫌うこともあったが、仲間外れにされたくもないので、無理をして親しくしていたようだ。
しかしサルトルは「全てをオープンでいよう」という約束を破り、隠れてほかの女性に結婚を申し込んだりしていた。さらに、そういった女性の一人を養女にしていたため、サルトルの死後、ボーヴォワールは遺産を全くもらうことができなかったのだ。
後に女性解放運動の旗手となったボーヴォワールも恋愛生活は決して幸福なものではなかったようだ。
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