砂漠
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 地理 > 場所
砂漠は猛暑の地、というイメージがあるが、実際に猛暑が襲うのは太陽が昇っている昼の時間帯で、夜は一転して冷え込む。
世界の最高気温はイラクのバスラの五八・五度。次いでアルジェリアのティンドルフでは五七度を記録した。
アメリカのカリフォルニアのデスバレーでは、一日の気温差が四一度、エジプトのヴィルミラハでは三七・八度という記録が残されている。
砂漠で一日の寒暖差が大きい理由の一つは、地表に植物が少ない、ということがあげられる。植物のないむきだしの地表は、昼は直射日光に強く照らされて気温がどんどん上がる。夜になると、地表の放射熱を覆う植物や雲がないため、気温が急激に下がってゆくのだ。
また、砂漠は地表も空気中も水分を含まず非常に乾燥している。水分の少ない砂漠では、昼は熱しやすく、夜間は冷めやすい。熱を蓄える能力、熱容量が少ないのだ。
熱容量の少ない物質の例として鉄があげられる。鉄でできた針金を火であぶるとすぐに熱くなるが、火からはなすとすぐに冷めてしまう。砂漠の昼夜の寒暖差が大きいもう一つの理由は、これと同じだ。
もちろん砂漠では降水量も少ない。最も降水量の少ない地域とされているのはアタカマ砂漠、ナミブ砂漠、サハラ砂漠、アラビア砂漠などで、アラビア砂漠では中央部での降水量は年間一〇ミリ以下となる。また、砂漠では雨が降る時期は非常に不規則だ。このような状態では、当然のように植物が育ちにくい。
一方、水は熱容量が非常に大きい。水は通常の空気にくらべて熱しにくく冷めにくい。だから、河川や湖沼があり、水分を含む植物の多い地域では、昼は太陽の熱をゆっくり吸収して、夜は熱を徐々に放出してゆく。
砂漠と違って日本列島が温暖な気候なのは、海に囲まれていて、内陸にも河川や植物が豊富にあるためだ。
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