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再生生物
【東京雑学研究会編】

雑学大全生物の不思議 > 動物

体を二つに切られても、そこから再生・繁殖することができる生物がいる。これが、アメーバのような単細胞生物なら珍しくはないのだが、プラナリアという、河川や湖沼の水底にすむ生物は、れっきとした卵生の多細胞生物でありながら極めて再生能力が高く、切り取った体の一部から元の体に再生することができるのである
プラナリアとは、渦虫綱三岐腸目プラナリア科に含まれる扁形動物の一属名である。プラナリアという名は、ラテン語の「平らな」に由来するもので、最大体長三・五センチ、幅四ミリほどの扁平な虫である
三角形の頭部の両側には、耳葉と呼ばれる、短い一対の触覚がある。眼は一対、あるいは多くの小眼点を持っているが、視神経が単純で、光の強弱と方向くらいしか見分けられない。口は、腹面のほぼ中央についている。
プラナリア科の種は、すべて淡水に生息しており、池や川の水生植物の上を這っていたり、水底の石の裏にくっついていたりする。
その体をいくつかに切断しても、バラバラにされた部分は生き続けるそして、数週間のうちに、それぞれの部分から体の全体が再生されて増殖するのである
しかも、プラナリアは、他者に切断された場合だけではなく、自分でも二つに分かれて、増殖することができる。観察していると、胴の一部分がくびれてねじ切れ、やがて再生して二匹になるのである
プラナリアは、雌雄同体の生物で、卵巣や精巣などの生殖器官もちゃんとあるのだが、その一方で、このように分裂して、増殖することもできるのである
また、プラナリアの頭部を縦に裂くと、半分割された頭が、それぞれ再生して、二つの頭を持つプラナリアができる。同じように、尾の方を縦に裂くと、尾が二本あるプラナリアができる。体の一部を切り取って、別のプラナリアに移植して、双頭や双尾のプラナリアを作ることもできる。
日本各地の川などに広く生息しているナミウズムシは、かつてプラナリア属とされていたが、生殖器官などのわずかな違いから、ドゥゲッシア属に分類されるようになった。しかし、プラナリア科の生物であることには変わりなく、特に再生能力が高いことから、生物形態などの実験によく使われている。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473