警察官人形
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 そーだったんだ! > 由来
雨の日も雪の日も、真夏の炎天下にも、同じポーズのまま道路脇にたたずむ警察官の人形。はじめて通る道路でこの人形を発見すると、今でもハッとするドライバーがいるかもしれない。
一時期は全国津々浦々にまで普及したこの警察官人形だが、はじめて登場したのは一九六七(昭和四二)年のことである。当時は、おそらくある程度のインパクトがあったことだろう。少しスピードをあげているドライバーは「ドキッ」とし、注意力が再喚起される。それである程度の効果はあったようだ。
現在では警察官人形は、新規に製造されていない。つまり、当時製造された生き残りがそのまま道路脇に立っているのである。四〇年近く、リニューアルすることなく「現場」で活躍しているのだから、十分モトは取ったとみるべきだろう。
さて、この人形にはれっきとしたモデルがいたという。警察官人形の第一号は、川崎市の高津警察署署長と宝化学という製造会社の社長が相談して作ったもので、モデルになったのは、当時、高津警察署に配属されていた現職の警官だった。
柔道四段、剣道五段の猛者で、身長一八〇センチ、胸囲九〇センチのがっちりした体型。ハンサムで勤務態度もまじめな模範警察官だったという。自分の優秀な部下がモデルとなって、全国各地に「派遣」されたわけだから、当時の高津警察署署長もさぞかし鼻が高かったことだろう。
しかしながら、警察官の男性は、人形のモデルになった四年後、警察を退職して、サラリーマンに転身したという。当時、彼は警察官人形を見てどのように感じたのか。残念ながら、公式記録は残されていない。
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【この辞典の書籍版説明】
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