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鏡餅
【東京雑学研究会編】

雑学大全生活 > 食べ物

きれいに掃除された家の中に鏡餅が飾られるといよいよ正月。三方の上に半紙、ウラジロ、ユズリハ、昆布を敷き、腰高に丸められた餅を大小二段重ねにして、その上にダイダイ、串柿、干しするめなどを飾り、四手を垂らして神棚に供えたり、床の間に飾ったりする。
白くて、丸くて、単純素朴なこのお餅の形は、その名の通り鏡を模したものと考えられている。
『本朝食鑑』(一六九七・元禄一〇)という本には、「大円塊に作って鏡の形になぞらえる」とあり、確かに丸い銅鏡を思わせる。鏡は神社のご神体になるほど神聖な存在で、それを模した大きな丸い餅は正月に拝み見るべきものであった。
古代の人々は、鏡に「映る」を神が「移る」に重ねていた。丸い銅鏡形の鏡餅にも神が移るとされ、年のはじめにそれをいただき、新しい生命を吹き込まれたいという意味があるようだ
また、鏡餅は、心臓のかたちを模したものとも言われている。餅を重ねて、生命力あふれる心臓と見立てたわけだ。鏡餅を「力餅」と呼ぶ地方もあるように、鏡餅は、生命力をつけるものだったのである
鏡餅は、当初、鏡のように掛けたり、吊るしたりした懸餅だったのではないかとも考えられている。例えば神戸市長田区の長田神社では、二月三日の節分に太平餅と称する大鏡餅二個を榊の葉で飾り、拝殿内に掛ける。京都府乙訓郡の宝積寺でも、節分に七五個の鏡餅を呉竹にはさんで鴨居に掛ける。
現代の私たちの生活の中では、カビ防止のため、プラスチックで包まれた鏡餅が普及するようになった。これでは正月気分すら盛り上がらないような気もするが、鏡餅に託した先祖の思い、神や生命力を尊ぶ感性に思いを寄せて、正月を迎えたいものである


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473