エデンの園
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 地理 > 場所
万物の創造主の神様は、土からアダムを作り、アダムの肋骨からイヴを作り、エデンの園に住まわせた。
エデンの園には食用になるすべての植物が植えられており、中央には「生命の樹」と「善悪を知る樹」が生えている、まさにパラダイスだった。アダムとイヴはこのエデンの園で何不自由なく暮らしていたが、ヘビにそそのかされて「善悪を知る樹」になる「知恵の木の実」を食べてしまったため、神様に追放されてしまった。
神様はこの後、園の入り口に暴風と風と稲妻の象徴であるケルビムと回る炎の剣を置いて人間が立ち入ることができないようにしてしまったという。
『エゼキエル書』では、北方に神話的に想定されている神様の山の頂にある、宝石におおわれた園が考えられている。『創世記』にはエデンから川が流れ出ていて、ピソン、ギホン、ヒデケル(チグリス)、ユフラテ(ユーフラテス)の四つの流れに分岐する、と書かれている。
このようにエデンに関する記述があまりにも詳しいので、古くから場所を特定する研究に数多くの学者が取り組んできた。
『創世記』のピソン川をインダス川だという説、ガンジス川だという説もある。ピソン川がどこにあるかによってエデンの位置も変わってくるため、結局八〇を超える候補地が生まれ、その地図までが作成されることになったのだ。
しかし、聖書が生まれるはるか以前に、シュメール神話の「ディムルンの国」のように、いろいろな文化の中にエデンに似たパラダイスの概念はあったようだ。
エデンがどこにあったかを地理的に論じるのではなく、エデンは人間と社会の調和を保つ世界を象徴的に表す土地、つまり地球そのもの、とはじめて気付いたのは一六世紀ドイツの宗教改革者マルティン・ルターだった。
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