宇宙服
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 自然 > 宇宙
宇宙服は宇宙飛行士を地上にいるときと同じ条件にするため、酸素の供給、二酸化炭素の除去、人体に有害な宇宙線のカット、温度調節、与圧の調整といった機能を持つ。
宇宙飛行士が背中につけているタンクには宇宙飛行士が呼吸するための酸素や温度を保つための水、生命維持装置などが入っている。吐き出された二酸化炭素は潜水艦と同じように缶に詰められた塩化リチウムで除去される。
外部の保護服は、宇宙空間の微小隕石から宇宙飛行士を守る役目のほか、人体に有害な宇宙線をカットし、内部の適正な温度を保つ、といった機能を備えている。気密性も非常に高く、五重構造からなる特殊な素材で作られている。
地上にいると人間の身体には一平方センチあたり一キロもの重みがかかっている。このため血液中に溶けている気体などが蒸発せず、生存に適した状態に保たれている。宇宙空間にはこの空気による圧力がないため、宇宙服で適切な気圧を保たないと、宇宙飛行士の血液は沸騰してしまう。
宇宙服は頭部(ヘルメット)と上半身と下半身にわけられ、これらはディスコネクトリングにより、結合され、決して空気や水などが外にもれず、宇宙の真空から宇宙飛行士の身体を守る。
下着として素肌につけるのは、温度調節をする水冷下着だ。この下着の中には総延長三〇〇フィートのプラスチック製の細いチューブが織り込まれていて、水を循環させることによって身体から発散される熱を吸収する。
人体からは絶えず熱が発散されているため、この機能がないと宇宙飛行士が暑さで作業ができなくなってしまったり、ヘルメットが曇ったりしてしまうのだ。さらに水冷下着の手と足の部分には空気チューブも組み込まれていて、全身に酸素をめぐらすようにしている。
こういった、宇宙飛行士の生存と宇宙空間で作業するための機能を搭載した宇宙服の総重量は三八キログラムにもなる。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
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