ウサギ跳び
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 趣味 > スポーツ
両手を腰の後ろで組み、両足をそろえ、膝の屈伸でピョンピョン前進する「ウサギ跳び」。これを体力づくりのトレーニングの一つとして採用してきた指導者は多いようだ。というのは、いつでも、どこでも、誰でも手軽にできる上に、相当体力を消耗するからである。
例えば、剣道の道場の板の間で、裸足でウサギ跳びをさせるとか、野球部の練習に取り入れている学校もあるという。また、「外野までウサギ跳びで往復!」というように、練習ミスの懲罰や、精神鍛錬の手段として用いる指導者もあるようだ。練習は苦しいほど効果があると考える根性主義が、まだまだ根深いのが現状である。
しかしこの「ウサギ跳び」、非常に危険で誤ったトレーニングであることが、科学的に明らかにされた。股、膝、足の関節を深く曲げたまま跳躍前進を繰り返すので、足の筋収縮パターンがふつうの跳躍運動とは異なり、非常に無理なかたちで足の筋肉を酷使することになる。
これでは跳躍力や足腰の鍛錬にはならない。さらに、関節の動く範囲が狭いので、準備運動としてもふさわしいものではなく、膝、脛にさまざまな障害をもたらす。
例えば、膝関節の半月という軟骨の損傷、お皿の下の軟骨が突出して痛むオスグッド・シュラッテル病、脛の外側のひ骨の上三分の一の部分に起きるひ骨疲労骨折、お皿の下の靱帯に炎症を起こすジャンパー膝などである。
ということで、プロ野球選手のメニューにも、もう「ウサギ跳び」は入っていない。むしろ勧められているのが、「かえる跳び」と「リズム跳び」。跳躍力をつける安全で効果的な方法とは、足腰を深く曲げた状態から高く跳びあがり完全に股関節を伸ばす動きである。
ちなみに、腹筋運動も足を伸ばしたまま行うと腰を悪くするというので、今では膝を少し立ててするのがよいといわれている。
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【この辞典の書籍版説明】
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