イヌ①
【東京雑学研究会編】
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イヌの感覚の中で、最も優れているのが嗅覚である。イヌは近視で、色彩を感じることもできないと考えられているが、あれだけ敏捷に行動できるのは、嗅覚が鋭いからである。
人間や、機械にも感知できないニオイを嗅ぎ分ける警察犬や麻薬探知犬の活躍はご存じのとおりだし、ペットとして飼われているイヌも、しょっちゅう辺りを嗅ぎ回って、情報を収集したり、仲間とコミュニケーションをはかったりしている。
イヌは、もともとニオイを察知する鼻器官の粘膜面積が広く、嗅覚細胞も人間よりはるかに多い。イヌの長く、奥行きの深い鼻面の内側には、広い粘膜があり、そこに嗅覚細胞が存在している。だから、鼻面の短いチンなどの犬種は、ほかの犬種に比べると、嗅覚がやや鈍いと考えられている。
イヌがニオイを嗅ぎ分ける能力は、人間の一〇万倍から一〇〇万倍もあるという。
ところで、イヌの鼻は常に湿っており、鼻が乾いているのは体調の悪い証拠といわれているが、あの湿り気も、鋭い嗅覚を保つために、なくてはならないものである。
動物がニオイを感じるのは、空気中に浮遊している小さなニオイの粒子を、鼻の粘膜がとらえるからである。
これは、私たち人間も同じである。例えば、雨の日の満員電車の中では、誰かがつけている香水のニオイが、強烈に感じられる。あれは、私たちの鼻の粘膜が、いつもより多くの粒子をとらえているからである。
粘膜が湿っているほうが、ニオイの粒子がそこに付着しやすいし、またそこにとどまりやすい。乾いた雑巾より、湿った雑巾のほうが、より多くのほこりを吸い取るのも、これと同じである。
鼻が湿っていると、そこを通ってくるニオイも察知しやすい。イヌは、嗅覚を頼りにして生きている動物であるから、湿った鼻は、何よりも大切なのである。
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