イギリス
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 地理 > 国・島・都市
「イギリス」という呼び名の国は実際には存在しない。
正確には「グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」である。
「イギリス」はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの地域にわけられるが、「イギリス」という呼び名はイングランドを語源としている。
日本では一七世紀初頭にイギリスを「ぶりたにあ」あるいは「あんぐりあ」と呼び、「貌利太尼亜」「譜厄利亜」といった漢字があてられていた。やがてイングランド人を指す、ポルトガル語の「イングレス」やオランダ語の「エングルス」がなまって「イギリス」「エゲレス」という呼び名が一般的になってしまったのである。
「イギリス」は本来、グレート・ブリテン島の一部の「イングランド」に由来したものだ。しかし「イングランド」という呼称もイングランドとウェールズを含む場合もあり、一七〇七年にスコットランドを統合してできたグレート・ブリテンを示すことも、アイルランドまでも含むこともあるなど、あいまいな用いられ方をしているのが実情だ。
また、国が支配していた海外の植民地全てを含めて「大英帝国」という呼び名が一般化していた時代もあった。
いずれにしても「イギリス」という名前は非公式なもので、あくまでも日本語での呼び名であることを念頭におき、日本以外でイギリスのことを言うときは「England」ではなく「U.K.(United Kingdom)」、イギリス人全体を指す場合は「English」ではなく、「British」と表現するのが無難である。
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